二軍の日を作らない

あるスタイリストさんの印象的なエッセイを読みました。そのスタイリストさんはシーズンの初めに気に入った洋服を買い、1つか2つだけのコーディネートで1シーズンを過ごすそうです。ニットもお気に入りの1つに決めてひたすら着つづける。「また同じ服を着ている」と言われることはないとのこと。

IT業界のCEOは同じ服をいつも着ている方が多くいらっしゃいます。有名なところでは、スティーブ・ジョブスの黒のタートルとリーバイス501、マーク・ザッカーバーグのTシャツ。最近ですとNVIDIAのジェン・スン・フアンの黒い革ジャンもよく知られていますね。ネットの情報では「思考するリソースを節約する」ためと書かれていることが多くあります。1日に考えることのできる力は限られているので、大事なことに使おう、というわけです。スティーブ・ジョブスやジェン・スン・フアンの場合は思考リソースというよりも自己イメージを一定にするためにスタイルを一定させているようにも思いますが、ザッカーバーグは思考リソースを気にしているのかもしれません。最近は公に出ることが多くてスーツ姿も目にしますが、やっぱりユニフォームな感じです。

しかしスタイリストさんはコーディネートを考えるのが仕事です。自分のコーディネートを考える時間を節約するのが同じ服を着る理由とは思えません。理由は予想外のことにありました。それは・・・

 「二軍の日を作らない」

スタイリストさんといえども、コーディネートをたくさん考えると、気に入ったコーディネートもあれば気に入らない組み合わせも出てくる。気に入ったコーディネートはだいたい一つか二つに絞られるそうです。ファッション的にはオシャレでも、気に入っていないコーディネートの日は、朝から気分が盛り上がらない。毎日、気分を盛り上げるため、というのが理由でした。

これにはめっちゃうなづきました。朝から気分よくいきたいものです。

 「毎日を一軍にする」

いつもごきげんでいる、と言っても良いですね。思えば、二軍にしてしまう物事はたくさんあります。嫌々の仕事、あまり楽しくないお付き合い、惰性で続ける習慣・・・。こういうのを一つひとつ見直していくと、一軍に招集されるのかもしれません。

ちなみに私の場合は「嫌なこと」と「面倒なこと」を区別しています。嫌なことはいつでも嫌ですが、面倒なことは「やってよかった」となることが多い。だから「面倒だけど、薄々やった方が良さそう」と思っていることには、無理やりにでも取り組もうとしています。でも面倒なので、なかなかスタートが切れない自分もいます。

いまは月曜の朝。今日は気分を変えて、しばらく出番のなかった服を着ようと思っていましたが、やっぱりやめて週末に着たばかりの服にしました。

2025年11月17日
アストロライフ合同会社 代表
丹羽雅彦

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