これからの時代、ビジネスを推進するには生成AIを使いこなさないと・・・ということで、この数ヶ月、ChatGPTに有料課金して一生懸命に使っています。
ご多分に洩れず、一番便利なのは翻訳。私はチリのリモート観測所を運営しているので、チリとのメンバーと日常的にチャットします。最初は英語でやりとりしていましたが彼らの母国語はスペイン語。私は日本語。双方が不慣れな言語を使う必要ないよね、ということで、私が翻訳ソフトを使いながらスペイン語で会話していました。翻訳をChatGPTベースにするととても便利。なるべく間違いがないようにと、私はスペイン語でどう書かれているか英語でもチェックしています。ChatGPTを使うと「日本語が来たら、英語とスペイン語に、スペイン語が来たら日本語と英語に」と指示することで、やり取りが簡単になりました。履歴が残るのも便利です。他にも、形式的な日本語の文章をつくるのに言い換えなどに活用しています。
効率化にはとても便利なChatGPT。しかし「人に考えを伝えるとき」に大問題が発生しました。私はコンサルタントですので、アイデアを文書にまとめたり、プレゼンしたりする機会は多くあります。その用途にはChatGPTを上手に使えないのです。何が問題になるかというと・・・
「文書がツルツルになってしまう」
人に考えを伝える時に一番大切なのは「明日も覚えてもらうこと」だと私は考えています。読む人、聞く人は一日にたくさんの情報を得ています。その中で、明日も覚えてもらうために、私は創作物にちょっと「引っ掛かり」を残したり、場合によっては「違和感」を残したりする工夫をしています。「丹羽さん、あんなこと言ってたな」とちょっと記憶に残れば御の字です。
私は文章やプレゼンをするときに、まずストーリーを作ります。伝えたいことを決めて、それに対するいくつかの視点や論点をまとめ最後にします。今回は簡単なストーリができた後、ChatGPTにストーリーの肉付けを手伝ってもらったら私が考えていなかった視点も出してくれました。「こりゃ便利」としばらく対話していたのですが、気がつくと視点が網羅的になりすぎて「正しいけれど何にも面白くない」お話しが出きあがってしまいました。また、私が普段使わないような「丹羽さんの言葉」ではない優等生的な表現にもなってしまいました。
ツルツルの正体とは「網羅的」「優等生」で個性が消えたことだったのです。
またChatGPTと対話している時間はすごく考えたというより、YouTubeを見ているような消費的な時間でもありました。ふむ、困りました。生成AIを上手に使わないと仕事がままならない世の中になると思います。生成AIとどう付き合うのか、試行錯誤が続きそうです。

2025年7月8日
アストロライフ合同会社 代表
丹羽雅彦