テクノロジー

AI時代に必要なスキル

いよいよAIが仕事に生活に浸透してきました。ちまたではしきりにAIによって仕事が奪われる心配がされています。AIによって人間の仕事が奪われるようなディストピア的な世界を、私はイメージはしていなくて、むしろこれまで以上に忙しくなることを予想しています。産業革命以降、人間の仕事はどんどん効率化していきましたが、その都度、新たな仕事が生み出されました。その中には意味をもたない仕事のための仕事、いわゆるブル・シット・ジョブも含まれており、人は忙しくなる一方です。私が社会人になったころは、ノートパソコンや携帯電話はなく、メールも普及していませんでした。たとえば出張はお客様と1時間打ち合わせだけで、あとは何もやることがない、という牧歌的な時代でした。それが便利なツールが生まれて、どんどん忙しくなっていく。資本主義の競争社会なので、みんなで楽をしようよと決めたとしても誰かが出し抜く、そんな繰り返しです。

仕事自体には事欠きませんが、無くなる仕事、いらなくなるスキルが多くあると思います。我々が知的作業と思っていたことの多くは実は機械学習が可能で、AIに置き換わって行くことと思います。とくに過去の事象をベースにしたロジカル・シンキングの多くはAIの方が得意なのかもしれません。そんなAIの時代に我々は何を身につければ良いか、そんなことを考えてみました。

3つのスキル

私の考えるAI時代に必要とされるスキルは3つです。

  • 直感力
  • 共感力
  • 洞察力

ひとつずつ見ていきましょう

直感力

AIは機械学習をベースとしているので過去のデータを元に解を導きます。しかしできるのは可能性で重みをつけられた選択肢の提示までで、最後に選択するのは人間の役割です。とくに先の未来の予想は誰にもできないので、AIが提示してくれない選択肢だってたくさんあります。そこでは自分の感覚に従うことが重要になってくると思います。

例えば私は学生から「どんな業界に進むのが良いと思いますか?」と聞かれることが多くあります。私の答えは一つで「30年先の未来は誰にもわからないので、自分の身体感覚に従ってください」です。いろいろやってみると自分が「好きだなあ」とか「合っているなあ」と思うことは多くあると思います。また新卒で就業経験をしていなくても、先輩の話を聞いてピンとくる、ということもあります。そのピンとくる感じを大切にした方がよい、とアドバイスしています。

以前に書いたように身体感覚を鍛えるには体験しかなく、体験の記憶は視覚、聴覚より、触覚や嗅覚、味覚の方が強いそうです。だからデジタルの世界から飛び出して、ひとつでも多くの体験をすることで直感力を鍛えていきたいものです。

ロジカル・シンキングはAIも得意で、かなりを任せることができそう。しかしロジカル・シンキングを全部AIに任せて残る直感のみで全てを判断することはできません。ただ、ビジネスにおいて判断に使用するロジカル・シンキングと直感力の割合が少し変わってきて、ロジカル・シンキングを活用しつつも今まで以上に直感が大事になってくるのだと思います。

共感力

「聞く力」は昔も今も重要です。多様性への受容が求められている現在では、価値観の異なる人々の中で、その人が考えていることや感じていることを聞く力は、より必要になってきました。そこで大切になるのは共感です。人と話をしていて「この人は自分のメリットだけを考えているな」とか「話が合わないな」と思われてしまっては、相手の口が閉ざされてしまいますよね。そのためにはたとえば価値観が異なっても共感して聞く力が求められます。

そこでのキーワードは「共通骨格」です。考え方とか、行動とか、思いもよらぬところで見出す相手との共通点を共通骨格と呼びます。共通骨格を意識して人の話をきくことで、共感力をつけることができます。たとえば自分が決して体験できないような境遇の映画の主人公に感情移入できるのも、そこに何か共通の要素を見ているからです。共通骨格については、UFOに追われている人の話を例に前回に解説しました。ぜひご覧ください。

洞察力

最後が洞察力です。本質を見抜く力と言い換えても良いかもしれません。包括的に視点を提供しているように見える生成AIも、自分に「よいしょ」しているような偏った言動を多く感じます。まるで「あなたは、こんなことを言って欲しいのでしょ」とAIが思っているようです。またSNSなどネットの情報もエコーチェンバー効果によって、やはり偏った情報が入ってきます。そんな中でいかに本質を見抜くか。

常に真実と言われるものを疑い、上下左右から、裏から眺める。多面的に物事をみる習慣を身につけることで洞察力が養われます・・と思うのですが、なかなかそうは簡単にいきません。今日もAIとネットに騙されている私です。

ただちょっとコツはわかってきました。

「違和感を大事にする」

人の話、ニュースいろいろ見聞きし納得したときでも、ほんの少しだけ、とても小さな違和感を感じることがあります。後から思い起こしてみると、その違和感が重要であったことによく気が付きます。ちょっとした違和感を大切に自分を信じて行動できれば・・・と思っています。

2026年3月2日
アストロライフ合同会社 代表
丹羽雅彦

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