最近、面白いことを聞きました。五感のうち聴覚と視覚は記憶に残りにくく、嗅覚、味覚、触覚は記憶に残りやすいという話です。私がつい時間をかけてしまうYouTubeやSNSなどスマホでやっていることは聴覚と視覚が中心で嗅覚、味覚、触覚を使っていない。つまりこんなに時間をかけているけれど記憶に残る体験にあんまりなっていないわけです。なんと・・・。これはまずい。「丹羽さんは天体撮影に行ってるからいろんな体験していますね」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、天体撮影ってずっと夜空を見ずにパソコンのモニターを凝視しているのです。パソコンをみている時間を減らして星空をみないと・・・(笑)
2026年の私のテーマは「身体感覚を鍛え、体験の価値を高める」です。ビジネスにおいてロジカルシンキングは依然として重要ですが、それだけではうまくいかないことは誰しも経験していると思います。とくに新しい事業ではデータが揃っていないのでロジカルだけでは解がでない。また就活している学生さんからも「これからどんな業界が伸びますか」と聞かれることが多くありますが、20年後の業界なんてわかるはずがない。だから理屈で職業を選ぶのではなくてたくさんの経験をしてみて自分が「これが良いな」とピンとくることを探した方が良いとも話しています。いわゆる直感と言われるものです。
しかしやみくもに直感に頼るのはどうも具合が悪い。一昨年に惜しくも亡くなったダニエル・カーネマンは「直感に従ったシステム1は、判断スピードが速いがバイアスが多くて間違えやすい」と語っています。その一方で熟練工の勘のような、信頼に足る直感もたくさんあります。私はそんな信頼できる直感を鍛えたいんです。そのために身体感覚と体験価値に注目しました。
熟練工のような長年の経験に裏付けられた直感を研ぎ澄ますには、実体験を増やすしかないと思います。そしてその実体験の条件は「聴覚、視覚だけではなく、嗅覚、味覚、触覚も駆使すること」のようです。スマホまみれの私の生活から体験価値を増やす生活にシフトすること。これが一つ目のテーマです。とにかく現場に出向く。知らない世界を体験してみる。
もう一つが身体感覚です。「これは良い」とか「まずいんじゃないの」というとき、私は必ず心臓がドキドキします。その心臓のドキドキを見落とさずにいれば、まずいことにはならないと思ってこれまでやってきました。スターウォーズでハン・ソロをはじめとした主要なキャラクターが「嫌な予感がする(I have a bad feeling about this.)」って何度も言いますが、そういうやつです。そのドキドキセンサーをもっと鋭敏にしたいのです。ちゃんと心臓がドキドキしてその感覚を無視しなければ、物事がうまくいくはずです。ちょっとした体の感じる違和感や信号を捉える様にしたいのです。そのための入力装置としての身体感覚を、もう少し鋭くしたいと思っています。
また身体感覚といえば、私は週に一回はコーヒーを机にこぼします。本当によくこぼします。手が気が付かないうちに何かにあたり、それがさらにカップに当たってこぼすのです。それはきっと自分の車幅感覚みたいなものが足りていなくて、漫然と動いているからに違いない。だから、いまは「体の輪郭を意識する」ことからスタートしようとしています。そういえば、昨日、水泳に行きました。プールの中では体の外が水なので「体の輪郭」を意識しやすいという発見がありました。自分の中と外とその境界線を意識できれば、身体感覚が高まるのではないかと考え中です。
ロジカルシンキングの方はAIにかなり任せることができる様になってきました。そうすると、ますます身体感覚と体験を軸にした直感が重要になりそうです。いずれAIが直感を持つ時代がくるかもしれません。そのときはまた他のことを考えてみようと思います。

2026年1月12日
アストロライフ合同会社 代表
丹羽雅彦