音楽の話です。
私は音楽ライブが好きで、毎月のように何かしらのライブに行っています。Spotifyの影響もあって最近の曲も楽しんでいますが(あいみょん、めっちゃ好きです)やっぱりライブに行ったりするのは、自分が高校生くらいの頃に好きだった音楽が中心になってます。先日は横浜で桑田佳祐のライブに行きましたし、今週末はお待ちかねの佐野元春。私は半ば佐野元春の追っかけなので、年に6-7回、ライブに行っています。ファンにとって現役で活躍してライブをしてくれるのは、ありがたいことです。ライブが近くなると楽しみで楽しみで・・・。
佐野元春も桑田佳祐も、ファンにとってありがたいことがもう一つあります。それは新曲を出し続けてくれること。昔の曲ばかりだと懐メロ特集みたいになって、きっと飽きてしまいそう。すごいことに彼らのライブでは新曲がとても盛り上がるのです。昔の曲は学生だった頃を思い出して感傷的な気持ちになるためのもの。新しい曲はミュージシャンと一緒に歳を重ねているという気持ちになり、前向きな感情のためって思います。
そんな中、最近、ライブに関してはもうひとつ、やっていることがあります。
背がシャンとするミュージシャン
私が高校生だったときに好きだったミュージシャンの多くは、すでに80歳以上になっています。来日のニュースを聞くと「もしかしたらこれで最後の来日になるかも・・・」と思って、なるべくライブに行くようにしています。この数年でもたくさん行きました。高校の時に興奮した超絶技巧のような演奏はもうしないけれど、私自身も高校生時代とは違ってテクニックばかりに目がいかなくなり、その円熟さと音楽性、そして何よりミュージシャン本人が「演奏を楽しんでいる」姿に感動します。
そんな中、驚くようなプレイをするミュージシャンがいるのです。
最初に気がついたのは、亡くなる数年前に聴きにいったフジコ・ヘミングです。すでに90歳近くの彼女は、舞台袖からピアノまで歩いていくにも介護者に支えられ、おぼつかない足取りでした。「大丈夫かな?」って思ったのですが、ひとたびピアノに向かうと腰がすらっと伸び、とてつもない強い指でピアノを演奏し始めました。彼女の代名詞のラ・カンパネラは素晴らしくて、涙が出たのを覚えています。
また昨年には、ランディ・ブレッカーというトランペッターのライブに行きました。ベースはウィル・リーです(ウィル・リーとはライブ後に一緒に写真を撮ってもらいました。家宝にします)私は高校ではブラスバンド部でしたので、勉強にと思ってジャズを聴き始めました。最初の頃は背伸びして聴いていたのですが、途中からハマっていきました。ランディ・ブレッカーは、当時の私のアイドルであったマイケル・ブレッカーやジャコ・パストリアスといったミュージシャンとも共演していた超大物で、演奏に加えてその作曲のアイデアもすごい人です。しかし80歳になっている今回のライブではステージに向かって歩く姿はかなりつらそうで「ちょっと期待できないかな」と思っていました。しかし演奏が始まると、ものすごい力強いフレーズを続け、トランペットから出る音程も安定しています。一発でバシッと狙った音が出る感じ。数十年前に聴いたライブよりも高いパフォーマンスに感じ、びっくりしました。
最後は、サックス奏者の渡辺貞夫です。ナベサダはすでに93歳。やっぱり「演奏してくれるだけで嬉しい」という気持ちでライブに行きました。そしたらやっぱりびっくり。アフリカ系の音楽で、パーカッションに合わせてとてもリズミカルな、やっぱりパッションあふれる演奏を繰り広げていました。
3人に共通するのは「力強さ」です。演奏が始まる前は少し心許ない印象をうけるのに、いざ演奏が始まると、とてつもない。姿勢もピシっとなって力強い音を出します。トランペットやサックスは管楽器なので息を吹き込む必要があり、体も楽器の一部になります。つまり良い音を出すには、自分の体ごと鳴らさないといけないのです。鍵盤楽器のピアノも全身を使って弾かないと、やはり力強い音は出ないと思います。どうして体力が落ちているのに、そんなすごい演奏ができるのか?
思うに「秘密の箱に入ったいざというときにリリースできるエネルギー」みたいなものが体の中にあって、演奏するときに力を凝縮させて爆発させているのではないでしょうか。
だとすると自分の将来にも希望が持てます。私のやっている天体写真や、スタートアップ、当事者研究など、どれも移動やら打ち合わせやら、結構、体を使います。体力がなくなったら引退しかないか?と心配していましたが、ミュージシャンたちをみていると、うまくコツを掴めば、人生の最後の瞬間までやっていられそう。
とっても明るい気持ちにさせてくれるミュージシャンに感謝です!

2026年9月15日
アストロライフ合同会社 代表
丹羽雅彦