テクノロジー

牧歌的なAI体験から未来を感じた

とっても牧歌的ながら「これってAIの未来だよな」という体験をしました。

私は、来年に計画している海外旅行の管理をClaudeにしてもらっています。旅行の計画自体は自分で立てています。Claudeにお願いしているのは、フライトやホテルなど旅程の管理や、ビザ取得などやることリストの管理です。航空会社などからメールが来るたびに、そのままClaudeに読ませて旅程をアップデートしています。旅程を管理してもらうとなかなか便利。「現地の到着は何時だっけ」みたいな問いかけにすぐ答えてくれます。AI秘書というわけです。

そんなやりとりをしているなか、ちょっと面白いできごとがありました。最初に訪れる国のホテルを検討していたところ、Claudeがこんなことを言いました。

 「到着が早朝なので、ホテルにチェックインできる夕方まで何時間も外にいないといけません。2日後にはまた長いフライトがあるので、体力を温存するために前日からホテルを予約して、現地到着した早朝から部屋を使えるようにしたらどうですか?」

私は「それもそうだ」と思い前日からホテルを予約しました。そのホテルの確認メールをClaudeに渡したところ、次にこんなことを言います。

 「前日の夜にチェックインできないので、No show扱いでキャンセルされるかもしれません。ホテルに連絡を入れたほうがよいです」

そこでClaudeにホテルに送るメール文面を作ってもらいました。内容は「前日にチェックインしないけど、予約をキャンセルしないでね」というものですが、私史上、最も長い、丁寧な英語のメールができていました。予約番号は何番で、当日のフライトは何時着で、日本からやってきて、同行者はだれそれで、到着は何時だけど荷物の受けとりや移動があって、だから到着は何時頃で、あーだこーだ。よくもこんなにいろいろ書くことがあるな、と思いました。「ホテルの人が読むのが面倒かな?」って思いつつ、そのままホテルに送りました。

するとすぐにホテルから返信がありました。これも、とても丁寧かつ長文な英語。「あなたはこれこれの時間にくるのですね。メモをしておきました。部屋は確保しておくし、到着したらすぐに使えるので、あーだこーだ。やっぱりよくもこんなに書くことあるなって長文です。そこで気がついたのです。

 「あ、ホテルからの返信もAIが書いている」

つまり、人間としては「前日に現れないけどキャンセルしないでね」「OK」というだけのやりとりですが、AIが介在して、やけに丁寧な長いメールがやりとりされたわけです。早晩、人間はやりとりに入らず、AIだけの会話に変わっていくなと感じました。このような事務的な確認、日程調整などは、そのうちAI同士で勝手に会話して、人間は関わらずに完了するようになると思います。いまは人間も読めるように英語でのやりとりですが、より正確な表現のための言語もつくられそう。あれ、それってEDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)か?と思ったのですが、業界ごとにフォーマットを作ったり、特定企業間でのみデータ交換しているわけではないのでEDIとはちがいます。フレキシブルに初めての会社や個人と自動で事務的なやりとりできる、そんな未来が近く来そうです。

小説や映画は?

秘書が担当してくれそうな事務作業はもちろんですが、実は小説や映画のようなエンタメの世界でも、同じことが起き始めている気がしています。

作り手側は、かなりのコンテンツはAIによって作成されています。油断しているとAIの作った文章や映像ばかりを見せられます。そして受け手側です。私の世代は情報が足りない時代でしたので、とくに娯楽性の高い情報は、それこそ大事に、ちょっとずつ食い入るように見たり読んだりしていました。マンガなんて、読み終わるのがもったいないから、2ページ読んでは1ページ戻って、という感じ。また映画も次にいつ見られるかわかららないので、1シーン1シーンを真剣にみて、セリフも一言も聞き漏らさないぞ、という集中力でみていました。しかし最近では驚くことに「タイパのため2倍速視聴」という風に映画やドラマを見ている人が私の周りにもいます。2倍速で映画をみても内容はわかる、というわけです。私としてはストーリーもさることながら、間(ま)も味わいたいのでゆっくりみたいのですが、それも情報過多の時代では贅沢な話。時間より情報が圧倒的な現代では、2倍速視聴も合理性があるのでしょう。

さらに進んでAIが自分の代わりに映画を見て、ダイジェストで内容を教えてくれる、というのだっておきそうです。そうなると、小説や映画のようなエンタメの世界でも「作り手も受け手もAI」という世界は一定量あるのかも。なんなら映画の映像は人間には理解できないフォーマットで、AIだけにわかる効率的な形式になるかもしれません。前述のホテルのメールと一緒で「どうせ人間は見ないのだから、内容はAIだけがわかるようにしたよ」というわけです。

そうなると、映画をフルで作る意味ってなに? だんだんややこしくなってきました。

2026年10月13日
アストロライフ合同会社 代表
丹羽雅彦

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